STPと適切なマーケティングミックス

【実行・分析】

STPと適切なマーケティングミックスを検討し、実行に移しても、必ずしもマーケティング目標が確実に達成できるとは限りません。ターゲットを見誤ったり、ポジショニングに失敗することや、マーケティングミックスの不整合といった、戦略の誤りだけでなく、競合する業界内の他社や、自社の製品・サービスを脅かす存在となる代替品の出現などによる競争環境の変化によりポジショニングがずれてしまったり、消費者のニーズや行動、ライフスタイルの変化によってマーケティングミックスに不整合が生じることも起こりえます。

マーケティング目標の達成に向けては、マーケティングミックスの諸要素それぞれについてKPIを定め、マーケティング戦略の実行後も随時モニタリングしていくとともに、ポジショニングや、セグメンテーション、ターゲッティングについても、定期的に確認し、結果に応じて戦略の見直しや軌道修正をしていく必要があるでしょう。なお、既存製品のポジショニングを変更する意思決定はリポジショニングと呼ばれ、苦境に陥っているブランドの再活性化や低迷しているブランドの躍進を狙って用いられることが多くなっています。

このように、マーケティング戦略においては市場調査(マーケティングリサーチ)から始まり、STP(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)、マーケティングミックス・・・というステップで実行されます。それではもう1つ、スタジオアリスを事例としてとりあげ、そのマーケティング戦略について概略を示すとともに、成功要因について分析を試みます。